相次ぐ変動型住宅ローンの金利引き上げ

「ソニー銀行は 7 月 22 日、変動型の住宅ローンの基準金利を 8 月から 0.2%上げ、年 2.007%にすることを決めた。(中略)住信 SBI ネット銀行やイオン銀行、au じぶん銀行も変動型の金利引き上げに動いており、その流れが広がっていく可能性がある。」(2024 年7月 22 日日本経済新聞より引用)
先日、報道された各行の変動金利上昇のニュースは多くの方が注目されたことでしょう。実際にソニー銀行で変動金利を利用される方は全体の 90%を超えると公表されています。このニュースを見て心配になられた方も少なくないのではないでしょうか。
私たち FP コンサルティングへのマネー相談でも、住宅ローン契約の際、変動金利と固定金利、期間選択型固定金利、どれを選べばよいのかという質問が多いのですが、多くの方が結果的に変動金利を選択されているように見受けられます。

さて、今回報道された変動金利の引き上げは、変動金利を選ばれた皆様にとって、返済額を押し上げ家計を圧迫し、ライフプラン達成において大きなリスクになるのではないかと心配になられたかもしれません。
ご安心ください。余裕を持った返済計画を立てていらっしゃる場合であれば、変動金利のリスクを正しく理解し、返済計画を見直しすることによってリスクはコントロールすることができます。
変動金利とは「借入期間中に、半年ごとに金利が見直しされ、適用金利が変動する」ものです。
ここでポイントは、金利が上昇したとしても、返済額が同時に上がるとは限らないということです。多くの銀行の変動金利型の住宅ローンは、5 年ルールと 125%ルールを適用しています。

つまり、変動金利を契約していたとしても急に返済額が上昇するわけではなく、5 年ごとの返済額見直しのタイミングでも 1.25倍以上にはならないということです。

〇変動金利が一気に上がるようなことがあれば…

マイナス金利政策が解除され、各銀行が短期プライムレートを上げる気配が出てきた今、変動金利が一気に上昇することもないとは言い切れません。もしそのようなことがあったら、繰上返済で積極的に元本を減らす戦略に切り替えることが得策でしょう。繰上返済資金は利息を払わず返済額の全額が元本に充当されるので金利上昇の影響を受けません。
収支の工夫によって預貯金を増やす以外でも、今年劇的に改善された新 NISA を活用した投資戦略など、未来の繰上返済資金を作る工夫も可能です。
まずは個々人のライフプランを設計しましょう。設計の過程で住宅ローンの返済計画と投資戦略を有機的に組み入れることで日々の生活水準を維持・向上させつつライフプランを達成させることができるようになります。皆様の会社の福利厚生制度を最大限に活用しつつ、必要に応じて当社のライフプラン、マネープラン相談をご利用いただければと思います。