2022 年度以降の住宅ローン減税について

「令和 4 年度税制改正大綱」が発表され、焦点となっていた住宅ローン控除の控除率や、控除額が明らかになりました。まず、現行の住宅ローン控除制度は 2021 年度末で期限を迎えることとされていましたが、新制度では 4 年間延長され、2025 年末が期限とされました。また、住宅ローンの超低金利が続き、控除額がローンの支払い利息額の上回る「逆ザヤ」が生じていることが問題視され是正が求められていた住宅ローンの控除率については、現行の 1%から 0.7%に縮小されました。一方、現行では原則 10 年間(特例では 13 年間)となっている新築住宅を対象とした減税期間は、原則 13 年間に延長(中古は 10 年間に据え置き)、住宅ローン残高の上限額が「4,000 万円」から「3,000 万円」に縮小、減税を受けられる所得上限は現行の 3,000 万円から 2,000 万円に引き下げられました。
※以下の表は朝日新聞 DIGITAL(12/11)を参照し、作成

今回の改正での注目は ZEH(ゼッチ)や省エネ基準を満たし、環境性能に優れた住宅を対象とした優遇措置により住宅ローン減税の恩恵が変わってくることです。政府は「2050 年カーボンニュートラル」を提唱し、脱炭素化に注力しており住宅ローン減税を活用して、住宅の省エネ性を引き上げようという考えが背景にあるようです。例年通りの流れで審議が進むと 2022 年 4 月から新制度が適用されます。住宅ローンを利用した住宅取得を考えている方は、購入時期や住宅の環境性能についても慎重に検討することをお勧めします。

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長・変更点

住宅関連の税制改正では、「直系尊属から住宅購入資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税特例」が 2023 年
12 月 31 日まで 2 年間の延長が決定しました。贈与額は減少したものの、住宅用家屋の取得等に係る契約の締結時
期にかかわらず、住宅用家屋の区分に応じ最大 1,000 万円まで非課税で贈与可能です。
「住宅取得等資金の贈与税の非課税制度」と「住宅ローン控除」は併用可能ですが、贈与税の非課税制度を使い援助
を受けた場合は、12のいずれか低い金額が住宅ローンに関し、所得税の税額控除の適用対象になります。
①住宅ローン年末残高 ②住宅等購入の際の対価額-住宅取得等資金贈与の非課税制度の適用を受けた援助額
併用したケースでは確定申告の際に申告誤りが相次いでいるようですので、要件や計算方法をしっかり確認しましょう。

スゴい住宅ローン探し(12/13)「2022 年以降の住宅ローン控除制度速報!税制改正で変更される控除率や贈与税非課税特例について解説」
Souzoku memo 「住宅取得等資金贈与と住宅ローン控除の併用における注意点」 より引用