2024年スタートの新NISAとは?
資産運用
令和5年度税制改正大綱について
「令和5年度税制改正大綱」が12月16日に公表されました。個人に関わる改正として、NISAの抜本的拡充・恒久化、復興特別所得税の期間延長、自動車のエコカー減税・グリーン化特例の延長、贈与税・相続税の見直し等があります。NISA制度(投資可能期間)の恒久化や非課税保有期間の無期限化、非課税投資枠の拡大について、現行制度と2024年以降の新たな制度との変更点を以下にまとめました。
①「一般NISA」と「つみたてNISA」制度を一本化
株式投資などがメインの「一般NISA」と投資信託の積み立て購入がメインとなる「つみたてNISA」は、今まで併用できませんでしたが、併用できるようになります。2024年からの新たな制度では、長期の積み立てを目的に投資信託だけを購入対象とする「つみたて投資枠」と、上場企業の株式などを購入できる「成長投資枠」が設けられます。
②投資期間は恒久化、非課税期間は無期限に
「一般NISA」と「つみたてNISA」は投資期限がありましたが、この期限がなくなり、恒久化されます。そしてNISA制度の大きなメリットである一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり非課税の恩恵を受けられる非課税期間が無期限となります。
③年間投資上限枠の増加
年間の投資上限額については、「成長投資枠」が240万円、「つみたて投資枠」が120万円の合計で360万円になります。非課税で保有できる生涯の資産限度額は「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の合計が最大1,800万円となり、成長投資枠は1,200万円以内に抑えることとされています。従来の「一般NISA」や「つみたてNISA」で投資をしている人も、新たなNISAは、上限額まで利用することができます。
税金制度の改正は、私たちの暮らしと関係が深いので、制度の変更点については確認しておく必要があります。「資産所得倍増プラン」や「貯蓄から投資へ」の流れから、今後は投資の基礎知識を身に付けるための「金融教育」の重要性がますます高まっていくことが予想されます。「NISA」という言葉は知っているけど仕組みが理解できていない方、投資に興味や必要性は感じているものの一歩を踏み出せていない方は、投資に関する勉強をスタートさせるのもいいかもしれません。既にNISA口座を既に開設している方は、2024年から投資枠が増えますので、何にどのくらい投資するのかを再考する必要が出てきそうですね。
引用:NHKニュース 「令和5年度税制改正 暮らしどう変わる? 」
朝日新聞デジタル 2022/12/16「NISAの適用範囲が大幅拡大 投資限度1800万円、恒久的制度に」